スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

海のなかに

誰も知らない私だけの海がある
海の中に私の王国がある
そこには誰もいない
私もいない
冷たい海流に閉ざされた
水底にひっそりと佇む塔を
私はいつも思い描いてみる

20050222_1070219.jpg
スポンサーサイト

桜貝

桜貝は爪によく似てる。
少女の艶々した、優しいピンク色の爪。
片腕を取り替える川端の小説みたいに、
一日だけ桜貝を爪にすることができたらいいのにな。

脆い壊れやすい爪だから、その日は何もしないで過ごそう。
古い音楽でも聴きながら、ゆっくり時が流れるのを感じたら
いつしか昔の自分に戻っているかもしれない。
下の名前も忘れてしまった男の子と
暖かい海で桜貝を拾った頃の自分に。

いえ、昔の私に戻りたいとは思わない。
でももう一度あの頃の気持ちになって確かめてみたいこと。
あの日の海の潮の香りも、こんなに苦かったかしらと。

20050209_1070214.jpg

きらきらビーズ

きらきらビーズ 光ってきれい
きらきら きらきら

そのきらめきはとりとめがなく
そのかがやきはわたしを傷つける

もっとわたしを傷つけて
もっとわたしを苦しめて

きらきらビーズ きらきら きらきら ・・・

ボートで

20040811_1070171.jpg

私は小さなボートでたったひとり 
暗い水面に漕ぎ出した
はるかかなたから聴こえる 
かすかな声にむかって

その声は とてもかすかだけれど
聴いたことがあるようで 懐かしくて
もしかしたらあなたの声?
私が生まれる前に 
あんなにも
近く 温かく
強く感じていた ひかりの中のあなた

いくら漕いでも 果てしなく水は続き
静寂だけが私を取り囲む
胸は動悸して 目は涙でかすんだ
あなたの声は近くならない

オールからこぼれる水はきらきらと散って
水中に微光を放つ小さな虫になった
涙は水面に落ち 銀の魚になった
ボートの後ろには たくさんの小さな生き物が生まれた

でも私は暗い水面を進むだけ
あなたの声だけを追って
漕ぎ続けている 
いつまでも 
いつまでも…


+++++++

味戸ケイコさんの絵のイメージで書いてみました。
第一画集「かなしいひかり」の復刊を目指しています。
復刊ドットコム
プロフィール

胡舟

Author:胡舟
北海道オホーツクに在住し北の海のクラフトを作っています。

カテゴリー
スポンサードリンク
Arcive
リンク
MOON
CURRENT MOON
検索フォーム