ボタンとビーズととんぼ玉のウォールミラー

新作「ボタンとビーズととんぼ玉のウォールミラー」。
何か名前をつけようと思ったけど思いつかなかった。
イラストボードを台紙にして綿を入れ、正絹の帯布を貼って裏からミラーを貼り付けた。普通は布のうちにボタンなどの飾りを刺してから作るのだろうけど、最初に成形してからビーズを縫い付けた。ボタンは針を通すのが大変だったので、ダミーの糸目を留めつけてから布に接着剤でつけている。とんぼ玉は自作、ピンクのボタンはポスターの仕事のために染めたのの余りを流用。
途中まで作ったままだいぶ長いこと放っていたので、やっと完成できてやれやれと一安心。私は日ごろ常にあるプレッシャーを感じていて、「頭の中にあるイメージのカオスを死ぬまでに残らず形にしなければいけない」というのと、「手に入れた素材をみんな使い切ってやらなくてはいけない」ということ。死蔵っていうのが大嫌いなのだ。モノもイメージも。だからやりかけで何年も投げ出しているブツも、いつか必ず完成させてやらねばと思っている。このミラーも何かのついでに中途の姿を目にするたびに「早く続きをやらなきゃなぁ」と思っていた。一つ完了したけど、まだまだやりかけのモノはたくさんある。休んでる暇は無いのだ。と、わかってはいるのだけどね。
オリジナルクラフトを制作しています。胡舟クラフト
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時計部品のチョーカー

時計部品を使ったチョーカーの第2弾。
2つの半月型のパーツを裏でステンレスハンダしてから、アルミメッシュシートを貼り付けている。小さな歯車はすべてバラバラのパーツからサイズの合うものを探して接着。スワロフスキーのラインストーンやカットビースの冷たい輝きが、メタリックで硬質な雰囲気によく合う。
ずいぶん前にダンスの衣装を作る作業場でパートをしてたことがあって、そのとき初めてスワロフスキーを知った。そこには大袋入でザクザクあったので高価なものという意識がなくて、ただキラキラしてきれいだなーと思っていた。たくさん散らばってたのをいくつか拾って帰ったものの、使う機会もなかった。その後フリーマーケットなどでヘアピンに貼り付けて売ったりしたけど、今思うともったいない使い方だったと思う。適所を得れば宝石並みの輝きを発するスワロのカット石、安光りにならないよう使いたいと思うようになった。
オリジナルクラフト・アクセサリー制作 胡舟クラフト
がらくた自慢
通りがかりに車の中から見るだけだったけど。
北見に、大量のガラクタを通りに溢れ出すほどに並べている小さな家があった。全体が錆色のカタマリにしか見えないそれは、大方は灯油か何か鉄の缶であったように思う。その間に小柄なおじいさんがしゃがんでいた。赤茶に染まったランニングを着て、自身がガラクタに同化したような姿でいつも缶の間に埋もれながら一心に何かゴソゴソやっているのだった。そこを通るたびにその光景に惹きつけられた。でも1年ほど前からおじいさんの姿は見られなくなり、彼の宝物だったガラクタたちはいつしかまとめてビニールがかけられた。
ガラクタが好きだ。私はシブチンで洋服もアクセも化粧品もほとんど買わない。惜しみなくお金を出すのは洋書とガラクタだけ。動かなくなったゼンマイのはみ出てる時計、壊れたミシン台、どこの国のだかわからない錆だらけのコイン。そんなものを最近しきりに買い集めるようになった。コレクションだのアンティークだの、プレミアなんかじゃなくていい。むしろ無い方がいい。古くて忘れられたものはなぜか私を慰めてくれる。
ガラクタに囲まれていたおじいさんの幸福を羨ましく思う。好きなものに囲まれて、いつしか自分がそれに同化してしまえたらと思う。
北見に、大量のガラクタを通りに溢れ出すほどに並べている小さな家があった。全体が錆色のカタマリにしか見えないそれは、大方は灯油か何か鉄の缶であったように思う。その間に小柄なおじいさんがしゃがんでいた。赤茶に染まったランニングを着て、自身がガラクタに同化したような姿でいつも缶の間に埋もれながら一心に何かゴソゴソやっているのだった。そこを通るたびにその光景に惹きつけられた。でも1年ほど前からおじいさんの姿は見られなくなり、彼の宝物だったガラクタたちはいつしかまとめてビニールがかけられた。
ガラクタが好きだ。私はシブチンで洋服もアクセも化粧品もほとんど買わない。惜しみなくお金を出すのは洋書とガラクタだけ。動かなくなったゼンマイのはみ出てる時計、壊れたミシン台、どこの国のだかわからない錆だらけのコイン。そんなものを最近しきりに買い集めるようになった。コレクションだのアンティークだの、プレミアなんかじゃなくていい。むしろ無い方がいい。古くて忘れられたものはなぜか私を慰めてくれる。
ガラクタに囲まれていたおじいさんの幸福を羨ましく思う。好きなものに囲まれて、いつしか自分がそれに同化してしまえたらと思う。
自動機械の悦楽

最近私が夢中になっているもの、時計部品。
写真は昔の時計屋さんが使っていたという部品入れ。2センチ四方ほどのアルミケースに、おそらく腕時計用の細かい部品が入っている。シャーペンの芯くらいの時計の針や待ち針の玉くらいの竜頭。
下は腕時計のムーブメント。無論ジャンク。男性用も女性用もある。小さなゼンマイを指で触ると、チッチッとかすかな音を立てて歯車を回す。昔これらが色々な人たちの腕に収まって、それぞれの時間を刻んでいたんだな。見ていると吸い込まれそうに精巧で、美しい。自動機械のエクスタシー。
