生田原・林冷菓店のソフトクリーム

私が試してみて「いける」と思った地元の品をご紹介します。
以前ソフトクリームの話題の中で、生田原町ノルディックファームの牛乳ソフトは美味しいと書きました。しかし「生田原の人間はこっちに行く」という美味しい店がある、と夫がタレコミ情報を持ってきたので、早速行ってみました。それがこちら、林冷菓店です。



この店は知っていた。というか上の情報を聞いた時うそぉ!?と思いました。生田原は500メートルも走ればメインストリートが終わってしまうようないわゆる山間の田舎町です。人が歩いてるのを見かけることすらほとんどない眠ったような町。その数少ない商店街で目立つといえば、一年中ソフトクリーム形の看板を出してる、ピンク色のこのお店くらいでした。アイス専門店は北海道には多いのですが、こんな田舎(失礼!)でソフトだけでやっていけるんかな?と思うだけで、入ってみたことはありませんでした。きけばおばあさんの手作りソフトが美味しいと評判になり、現在は娘さんが引き継いでいるのだとか。訪れた日もたしかに店の前には車が数台止まって、お客さんが何人も出入りしてました。期待感が高まります。
小さな店内。ソフトはいちご、バニラ、ミックス、チョコの4種類。いちごソフト250円を頼んで食べてみると、シャリっとした食感。本物のイチゴが細かいシャーベット状になって入っているのでした。よくある人工的なエッセンスじゃなく、天然のいちごの爽やかな酸味と香りが広がります。美味しいわコレ。隣町に住みながら7年間も気づかなかったとは_| ̄|○ 夫の頼んだミックス(バニラ&チョコ)も美味しかった。濃厚というのではないけれど、昔懐かしいような手作りの味がしました。
林冷菓店で検索するとレビューがたくさん見つかりました。地元では有名だったんですね。営業は4月から10月までだそうです。また行こうっと。
林冷菓店の所在地・レビュー

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魔の海

魔の海域「サルガッソ」を衛星で初撮影
Envisat captures first image of Sargassum from space
サルガッソー。その名をまさかYahooで見かけるとは思わなかった。W・H・ホジスン「夜の声」に出てくる、帆船を飲み込む魔の海域だ。
「夜の声」は愛読書のひとつ。魔の海で出会う異形な生物、とうに消え去ったはずの古代の船、奇怪な事件…昏い海で起こるさまざまな不思議に読むたびに魅せられ、波と櫓の音しかしない夜の海原の無限の恐怖を想像した。でもいわゆるバミューダトライアングルとは違って、一世紀前の帆船にとってだけ魔の海域だったのかなとも思っていたので、ホジスンが描写したのと同じく現在でも海草が浮遊する天然の難所であり、今なお小型船舶にとっては脅威の海域であると知って、なぜだかとても満足したのだった。

ちょうど昨日読み終わったロベール・ド・ラ・クロワ「海洋奇譚集」も、たいへんに怖く恐ろしく、興味深い本だった。古くは1880年代から大戦中の1940年頃までの、実際に起こった異常な海難事件の数々を、当時の記録を元にノンフィクション的に再構成している。静かな海で痕跡も残さず消えた最新の船、危機一髪で危険を察知する船長の特殊能力、謎と共に消えた灯台守etc…。実話であるからこそ海の恐怖がいっそう惻々と迫ってくるよう。すごいと思うのは凄まじい恐怖の体験をした後でも、ほとんどの海の男たちが再び海に戻っていくことだ。

ところで子供の頃読んだ、”海の不思議で怖い実話”の中にとても印象的な話があって、鯨に飲み込まれて救助された船乗りが、鯨の体内で色素を溶かされて「体の半分が透明になってしまった」というものだった。子供の時は無邪気に「透明人間ていたんだ!スゲー!!」と思っていたけど、考えてみたら色素が無くなったら白くなるだけで透明にはならないなと、大人になって気がついた。実話だって言われたら子供は信じるよねぇ。。

付記:↑は「マルセイユの透明人間」という有名なエピソードらしい。
http://libertin.blog11.fc2.com/blog-entry-88.html#more

北大植物園のタロ

五月のよく晴れた日、札幌の北大植物園を訪れた。きれいな芝生が広がる園内には大きな樹が濃い陰を作っていた。奥まで歩いていくと、昔懐かしいような建物。札幌農学校当時の建物を移築して今は博物館になっているらしい。



一歩入ると薬品の臭いが鼻を衝く。天井まで届くようなガラスケースがたくさんあり、中は全て生物の剥製だった。おなじみのヒグマやフクロウ、絶滅したエゾオオカミや鳥も海獣もあった。見学者は私ひとり。剥製の動物たちに圧迫感を感じながらも歩みを進めると、突き当たりのガラスケースに「タロ」がいた。南極犬タロのことは知ってたけど、こんなところに居るとは思わずいきなりだったのでちょっと驚いた。でもタロを見た瞬間、生きてる犬みたいに可愛いと思った。それまで見てきた野生動物の剥製に感じた圧迫感や怖さは、タロからはまったく感じなかった。黒いもしゃっとした毛で耳がちょっと垂れてて、こちらを見て笑ったように口を少し開けている。思わず小声で「タロ、タロ」と声をかけた。
説明を読むと、タロは南極で奇跡の生存が確認された後もさらに2年越冬隊と行動を共にし、日本に帰ってからは北大植物園で飼育され、9年後(1970)に14歳で天寿を全うしたそうだ。ふーん、詳しい話初めて知った。ただの私の”感じ”だけど、タロは人間が好きだったんじゃないかな?愛されている動物特有のふわっとした優しい、人懐こい雰囲気を感じた。なんだか人間に会えて喜んでるみたいな。もう少し側に居たかったけど、掃除でもするのか係の人が入ってきたので博物館を後にした。
もしも北大植物園を訪れる機会があったら、ぜひ博物館のタロに逢ってきて欲しいと思う。きっと喜ぶと思うから。
プロフィール

胡舟

Author:胡舟
北海道オホーツクに在住し北の海のクラフトを作っています。

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