ビー玉の中

「キッチュレンズ工房」に影響されてビー玉レンズを作って撮影してみた。好天が幸いしたのか、瑞々しい雰囲気に撮れててご機嫌。これは面白い☆はまってしまった。ネットで探すとけっこう自作ビー玉レンズが出てくるところを見ると、影響された人多数と見た。

自作ビー玉レンズの仕組み。
例によって”見た目はどーでもいいや感”一杯だけど構造はよくわかりますねw。カメラにビー玉をかざしただけではどうしてもピントが合わなかったので、中に100均の虫眼鏡から外したレンズ(ほとんど単なる凸面ガラス)が1枚入っている。レンズを目にかざしてビー玉をのぞいてみたら、ビー玉の中の物に焦点が合う距離がほぼ10センチだったので、筒の長さを大雑把に12センチと決めた。たまたま持ってた紙筒がレンズの直径とピッタリだったので内側を墨汁で塗って使用。ボール紙を丸く切って中央にビー玉が入る穴を切り抜き、ビー玉をちょうど半分埋まるようにして瞬間接着剤で紙に固定。レンズの方はビー玉側から10センチの位置に両面テープで固定。ボール紙も当然内側を黒く塗ってから筒に接着。ビー玉は出来るだけ大きくて気泡や傷の無い方がきれいに写る。
こうしてビー玉レンズが完成したら、これをカメラのレンズの上にかぶせて撮影する。カメラキャップを使ってちゃんと固定できるようにすればいいのだけど、私は余分のキャップを持っていないので片手で押さえながら撮影した。普通のデジカメで試みたところピントがどうしてもきれいに合わず、ややボケになってしまう(上の紫の花の写真)。オートフォーカスだとジャスピンが難しくビー玉表面に合ってしまったりするのだ。それとズームでは焦点が合わずほぼ広角側で撮るので、液晶で確認すると点みたいにしか見えないのも痛い。結局デジタル一眼レフでマニュアルピント合わせで撮った方がうまく撮れた。デジイチって便利だな。カメラに関しては本当に良い時代になったなぁとしみじみ思う。

出来上がった写真を見てたらビー玉を透かした世界というより、ビー玉の中に閉じ込められた世界を覗き見てるみたいと思った。それならばとあえて気泡のたくさん入った玉を使い、ビー玉の表面にピントを合わせてみたのが上の写真。右側は「色とりどりのビー玉の詰まった箱」を撮ったもの。これはこれでいい感じかも。自画自賛?
ちなみにビー玉レンズは天地左右が逆に写るので、ファインダーを見ながら被写体をちょうどいい位置に収めるのがちょいと大変。それと魚眼レンズと同じなのでかなり被写体に近寄っても相当広い範囲が写りこむ。順光だと自分の影が写り込みがちなので注意。

ファインダーで覗くとこういう風に見えます。撮影者の影入り。
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読書ノート---日本
図書館で本を借りるとき「これ読んだことあったっけ?」と悩むことが多くなった。以前読んだ本や持っている本を忘れて借りてしまうことがしばしばあり、仕方なく読書ノートを作ることにした。といっても自分のためだけの覚書だけど。とりあえず最近読んだものと蔵書をまとめた。新たに読んだら追加していく。
怪談・奇譚・ファンタジー・推理・ナンセンス・SF・ホラーなどの幻想文学のみ。左に属すと感じたらジャンルを限らず入れる。当然評価は主観オンリー。タイトルあいうえお順。
★・・・愛読書
◎・・・大層面白かった/感動した/私好み
○・・・まぁまぁ面白い
△・・・微妙/好みが分かれる/1度読めば十分
×・・・途中で止めた/全く記憶に残らなかった/不快
(ア)---アンソロジー (短)---短編集(タイトルから判らないもののみ)
※付記 2011年読了分からブクログへ移行しました。
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○緋い記憶(短)/高橋克彦
△悪魔のトリル(短)/高橋克彦/講談社--読んだ話ばかりだった。
○アド・バード/椎名誠/集英社--この人のエッセイには興味ないがSF作品は好き。読みづらいけどはまると独特の世界が癖になる。
◎あの世からのことづて/松谷みよ子/筑摩
△姉飼い/遠藤徹/角川--道具立てがセンセーショナルでも意外と底が浅い気が。
△鮎川哲也編怪奇探偵小説集1、2、3(ア)/ハルキ文庫--新青年など昭和中期くらいまでの短編を集める。新青年風の癖のある話が多く面白いけどやや飽きてくる。印象に残ったのは山本禾太郎「抱茗荷の説」
○アラマタ美術誌/荒俣宏/日刊ゲンダイ--講演をまとめたもの。例によって話が飛んだり自分だけわかってて?説明不足なとこもあるけど、古今美術史を縦横に歩き俯瞰して直感的に鷲掴みする独自の見識はユニークで新鮮で目からウロコ。
○アルファファ作戦(短)/筒井康隆/中公文庫
◎異界からのサイン/松谷みよ子/筑摩
△石の刻シティ/大原まりこ
★一千一秒物語/稲垣足穂/新潮文庫
○犬神家の一族/横溝正史/角川
×いのちのパレード(短)/恩田陸/--雰囲気だけの話でどれも印象うすい
△陰獣/江戸川乱歩
★雨月物語/上田秋成
○うつろ舟/澁澤龍彦
○うわさの人物心霊を生きる人々/加門七海/集英社~ユタ、行者、密教僧などのインタビュー。
×SFバカ本たいやき編・白菜編(ア)/ジャストシステム--遠視の話以外つまらん
△エスパイ/小松左京/角川
◎江戸川乱歩傑作選/新潮
◎江戸川乱歩全集 屋根裏の散歩者/光文社?--「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「人間椅子」
○奥州ザシキワラシの話/佐々木喜善
○おそれ/高橋克彦/ふしぎ文学館
△小川未明集・幽霊船/前近代的な哀話の陰惨さが怖い。
×押川春浪回想譚/横田順彌/ふしぎ文学館
○おそろし/宮部みゆき/角川--罪人への暖かい目線と人間性への深い視点で、単なる怪異譚に終わらないところがこの作家ならでは。物の怪と対決するシーンは感動的。でも全ての殺人が逆ギレした挙句のものというのは単純すぎる。
△恐ろしい話(ア)/ちくま文学の森--読んだのが多い。「三浦右衛門の最後」(菊池寛)が壮絶。
△怪を訊く日々/福澤徹三/メディアファクトリー--実話聞き書き系は類型化してるせいか読んでる間だけ怖くても読んだはしから忘れるのが多い中で、作家のひっそりした語り口が印象的。
△怪奇無尽講/飯野文彦/双葉社--怖いよりドロドロした気色悪く不快な話。オチも先にわかってしまった。
△怪狂譚/蜂巣敦/パロル舎--校正ミスが多い。。
△怪の標本/福澤徹三/角川--表題作は文体に雰囲気があって良
◎怪談・日本古典文学幻想コレクション/国書刊行会/西鶴諸国話、耳嚢、老媼茶話、御伽草紙などから怪談話を抜粋現代語訳。ブラボー!よくぞ出版してくれました。
△怪談累ヶ淵/勉誠出版--累ヶ淵に関する芝居・小説などを集める。柴田連三郎・田中貢太郎・狭山温など。
◎怪談徒然草/加門七海/角川--すべて作家の実体験で面白かった。
△怪談熱-福澤徹三/角川--怪談というより不条理の恐さ
○怪力乱神/加藤徹/中央公論--中国古典に現れる想像力と世界観を読み解く。興味深し。
◎鍵-自選短編集/筒井康隆/角川
○影が重なる時/小松左京/早川
★影を踏まれた女/岡本綺堂/旺文社
△傾いた世界/筒井康隆/新潮--「関節話法」は抱腹絶倒。声出して笑ってしまった。
◎河童・或る阿呆の一生/芥川龍之介
○壁 - S・カルマ氏の犯罪/安部公房
◎甲子夜話/松浦静山
○神隠し譚/松谷 みよ子、柳田国男、水木しげる他/桜桃書房--色々入っていて楽しめる。
○眼球綺譚(短)/綾辻行人/角川--かなりエグイ話もあるがストーリーがしっかりしている。
○玩具修理者/小林泰三/角川--面白いんだけどラヴクラフトへのオマージュがあからさまに出てくるのはしらけた。
○歌伝枕説/荒俣宏/世界文化社--東北の歌枕を訪ねる旅。時空を超えたスケール感と緻密な分析があいまって面白かった。東北はやはり不思議な土地だ。
△カランコロン漂白記/水木しげる/小学館--ふしぎ旅行の方が面白かった。水木さん自身について私は人間離れしたブキミな人と思っている。
△カンタン刑(短)/式貴士/光文社
◎聴耳草紙/佐々木喜善/筑摩--初めて聴耳草紙を読んだときは衝撃だった。遠野物語と違うグロテスクなほどの土着性こそが逆に民話の真実という気がする。
◎奇談・日本古典文学幻想コレクション/国書刊行会--男色大鑑、今昔物語、兎園小説、平家物語、太平記などから奇談を抜粋現代語訳。
△奇談蒐集家/太田 忠司/創元クライム・クラブ--読みやすい。
○魚籃観音記(短)/筒井康隆/新潮--「建物の横の路地には」この話大好き!「分裂病による建築の諸相」も良。
○狐のだんぶくろ/澁澤龍彥
×亀朴
×気まぐれスターダスト(短)/星新一/ふしぎ文学館--星新一は感動的に面白い話も多いけどコレは面白くなかった。シニカルだけど時代物の感がぬぐえず。
○記夢志/島尾敏雄/沖積舎
×旧怪談/京極夏彦/幽ブックス--耳袋を新耳袋風に意訳して台無しにしただけ。だいたい新耳袋の文体自体思わせぶりなわりにあいまいで怖くもないしつまらない。
◎鏡花短編集/川村二郎編/岩波
○驚愕の曠野-自選ホラー傑作集2/筒井康隆--表題作がともかく凄い、忘れられない印象を残す。
×狂鬼降臨(短)/友成純一/出版芸術社ふしぎ文学館--やたらとグロいだけで筒井康孝みたいなナンセンスもないし目新しさも無い。ただグロが書きたいだけみたいな作家。
○狂人日記/色川武大--昔一時色川武大にのめりこんでいた。どの話がどの本だったかごっちゃになっているけど。息を止めて水中に居るような苦しい読書だった。今でもそのフレーズのいくつかは心の深奥に刻まれている。
○恐怖館主人(短)・異形博覧会2/井上雅彦/角川ホラー--怖い&グロいけど本を閉じると後に残らず。日本版スプラッタパンク?
○虚無への供物/中井英夫
△燦めく闇/井上雅彦/光文社--散文的でストーリーが判り難い。残酷でダークなイメージの羅列だけの感じ。
○綺霊(短)/井上雅彦/ハルキホラー--鮮烈なショートショート。
◎近代能楽集(短)/三島由紀夫
○草迷宮/泉鏡花
○くちづけ(短)/小池真理子/出版芸術社ふしぎ文学館--女性主人公の虚無的な絶望状態が生み出す怪異はすごいリアリティと切なさを持っていて、しかも袋小路の恐怖。とても怖い。
◎くノ一忍法帖/山田風太郎
×首吊少女亭(短)/北原尚彦/出版芸術社ふしぎ文学館--湿った陰湿な感じのグロですぐ読むのが嫌になった。
△熊野物語(短)/中上紀/ --現代風に軽味な説話伝説。ここぞというところですーっと終わる尻切れ蜻蛉な感じで食い足りず、読後感が何も残らない。
△蜘蛛/遠藤周作
×くらら怪物船団/井上雅彦/角川ホラー--期待したが周辺描写ばかりで肝心の怪異の部分がちょっとしかなくて飽きた。
△暗闇(ア)/井上雅彦ほか/中央公論新社--「棲息域-宝珠なつめ」だけ面白かった。
◎黒い家/--現代的なホラー。いろんな意味で怖い。犯人が最後どんどん超人化していくのがちょっとだけど、久々に本格的で優れたホラー作品に出会えて感動。
○黒い布/色川武大
△黒蜥蜴/江戸川乱歩
△拳銃稼業(短)/大藪春彦/--スピード感があってゾクゾクするピカレスクなんだけど、ところどころ古くて残念。ボスの情婦のマンションが月7万て。
△幻想小説大全・鳥獣虫魚(ア)/北宋社--内外有名短編の寄せ集め、読んだのが多かったが「虫づくし(新井紫都子)」は面白かった。
★幻想小説名作選/半村良選/集英社文庫--夏目漱石「夢十夜」川端康成「片腕」など傑作ぞろい。特にお気に入りは都筑道夫「風見鶏」半村良「ボール箱」「牧神の春」中井英夫。
○幻想図像集-神々・占星術編/八坂書房--説明が雑なところがかえって面白かった。
○幻想図像集-怪物編/八坂書房--モンスターを大雑把に網羅してるのがかえって面白かった。
◎現代怪談集成上・下/中島河太郎・紀田順一郎編/立風書房--泉鏡花「海異記」太宰治「竹青」橘外男「逗子物語」など
△蠱/加門七海/集英社--実体験ほどには小説の方は。この人の文体はもうひとつのれない。
○巷説百物語/京極夏彦/角川--風俗描写が生き生きしていて楽しめた。ホラーというか異常心理犯罪もの?
○ゴードンスミスの日本怪談集/荒俣宏訳/角川--当時の絵師によって書かれた挿画が素晴らしい。物語りも現在のように痩せていないで豊潤。
△ゴーストと出会う夜/大原広行/新紀元社--西洋のゴーストの浅い解説。
×コーヒー党奇談(短)/阿刀田高/講談社--ありきたりな感じ。
★心/ラフカディオ・ハーン/岩波
◎古城秘話/南條範夫/河出
△木霊狩り/荒俣宏/文藝春秋--木が種によって「木霊」を持つというこの人独特の視点が面白いけど、話が飛ぶのと説明が尻切れ蜻蛉のことがあるのがちょっと。
△子供に語ってみたい日本の古典怪談/野火迅/草思社--勝手な意訳が香気に乏しく感心しない。
△壊れ方指南/筒井康隆/文藝春秋--ちょっと面白いのもそうでないのも。
△金色の死(短)/谷崎潤一郎/講談社--「母を恋ふる記」がいいくらい。
×今夜はパラシュート博物館へ/森博嗣/講談社--アンソロジーに入ってたぶるぶるは面白かったけど冒頭のお屋敷お嬢様の会話がうんざり、主人公が出る前にギブアップ。趣味じゃない。
△さいはての家~その他の物語/菊地秀行/光文社--幻想的な雰囲気豊か。
◎坂口安吾集/ちくま日本文学全集
△殺意の風景/宮脇俊三/光文社
○座敷ぼっこ/筒井康隆/出版芸術社ふしぎ文学館
★サラサーテの盤/内田百/福武文庫--「青炎抄」「東京物語」など私を虜にして離さない百幻想文学の至宝を網羅。
△時間エージェント/小松左京/新潮
△死国/坂東真砂子/角川--登場人物の心理描写が丁寧でわりと面白かったが、猫殺し女と知ってからは二度と読まない。
△七人の安倍清明(ア)/文春文庫--たいして印象に残る話なし。
△死にまつわる日本語辞典/奥山益朗/東京堂出版--戦中派の編者の地に足のついた視点。文学作品の一文を引いている。
△十月のカーニヴァル-異形コレクション1/井上雅彦監修/光文社--秋里光彦「かごめ魍魎」が面白くて怖かった。
△十七人目の死神/都筑道夫/角川
△十の恐怖(ア)/井上雅彦・赤川次郎・小林三など/角川--低年齢層向けでどれも軽め。
○叙情歌/川端康成--川端文学の怪談集成
△叙情的恐怖群/高原英理/毎日新聞社--散文的でとりとめのない文章が話に乗りにくく気色悪いわりに怖くない。町だの道だの環境描写が執拗というかそれを書きたくて書いてる感じ、恐怖部分が曖昧で怖くない。レズ女性の話はちょっと面白かった。
◎新・石の伝説/石上堅/集英社
○人獣細工/小林泰三/角川--グロいけど面白い。
◎人生処方詩集/寺山修司編著/立風書房
◎新青年傑作選/角川
△真珠郎/横溝正史/角川
○人造美人/星新一
△新耳袋コレクション恩田陸編/木原・中山」/メディアファクトリー--新耳袋は全部採取した実話だそうだけど、編集で話のトーンを揃えてあるためにリアリティが減じて実話ぽく感じない。誤植多し。
△水妖記/岸田理生/角川ホラー--精一杯ドロドロにエロティックに書いてるけど微妙に古臭くてエロくない。パターン化が見えるのと登場人物などの細部が雑。惜しい。
○砂の女/安部公房
○生家へ/色川武大/
◎世界でいちばんコワイ話/竹内健・宇野亜喜良/新書館--挿絵と相まって強い印象
○絶海ノン・ノベル/祥伝社--近藤史恵「この島でいちばん高いところ」は衝撃的かつ感動的な忘れ難い話だった。
○戦国自衛隊/半村良/ハヤカワ--痛快。
○戦争はなかった/小松左京/新潮
★掌の小説/川端康成/新潮
◎そして粛清の扉を/黒武洋/新潮--現実には無理な社会の癌への爽快な復讐。こういうテーマはわりと好き。むしろもっと出てきて良いと思う。
◎大妖怪/藤原審爾/文芸春秋
△高砂幻戯/小松左京/ハルキ文庫--粘っこい世話物風思い入れ描写はほど飛ばし読み。
○地球になった男/小松左京/新潮
△地獄番鬼蜘蛛日誌/斎樹真琴/講談社--面白いけど台詞が漫画っぽくて安い。閻魔が自分を「麿」って変。
○父が消えた/尾辻克彦/河出新
△懲戒の部屋-自薦ホラー傑作集1/筒井康隆/講談社--よくこんな気色悪いor精神的不快な話思いつくものだと変な感心。「近づいてくる時計」が良。
×鎮守の森に鬼が棲む(ア)/講談社時代小説傑作選--タイトルに騙された、中身はただの時代小説集。タイトルが全然中身と関係ない!!(怒)幻想文学じゃないけど二度と間違えて手に取らないよう載せておく。
△九十九怪談/木原浩勝/角川
△九十九怪談第二夜/同/同--ここぞというとこで話を切るのであまり怖くない、すぐ忘れる。
○出口/尾辻克彦/河出新
★田園に死す/寺山修司/角川
◎鉄塔のひと・その他の短篇/椎名誠/新潮
△伝説は生きている/高田紀子/道新出版局--北海道内の伝説。写真はきれいだけど文章が素人臭い。
★天体嗜好症/稲垣足穂/河出新
△東西不思議物語/澁澤龍彦/河出
★遠野物語/柳田国男/新潮
△ドールズ/高橋克彦/角川
◎都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト/澁澤龍彦/河出--澁澤の作品は小説評論含めてほとんど読んでいると思う。独特の気取った文体にはやや反感を持っていたけど、死を間近にして声を失い喉に穴をあけてチューブを通し寝たきりの状態で書いたこの一文の透徹ぶりには圧倒された。まさに澁澤ダンディズムの面目躍如と感服した。
×となりの宇宙人(短)/半村良/河出--この人にしてはつまらなかった。
△隣之怪木守り/木原浩勝/メディアファクトリー
△隣之怪蔵の中/木原浩勝/メディアファクトリー
○雪崩連太郎幻視行/都筑道夫
△七色の海/曾野綾子/出版芸術社ふしぎ文学館
△七つの黒い夢(ア)/ 乙一、恩田陸、北村薫、岩井志麻子ほか/新潮--印象に残らない
△七つの死者の囁き/有栖川有栖、道尾秀介、鈴木光司ほか/新潮文庫--心霊や殺人よりもメンヘラが怖かった。
△奈落(ア)/集英社文庫--漫画家転じて作家となったの山上龍彦の短編が一番鮮烈だった。あとは印象薄い。
○肉食屋敷/小林泰三/角川
◎二笑亭奇譚/式場隆三郎/ちくま
△日本怪奇小説傑作集1~3/創元推理--ほとんど読んだもの多し
◎日本怪談集1、2/種村季弘編/河出
○日本怪談集幽霊編上下/今野円輔/中公文庫--子供の頃持ってた。久しぶりに読んだが昭和初期~30年代くらいまでの体験談だけど、現代のとずいぶん違っている印象。
○日本幻想文学大全-幻想のラビリンス上・下/澁澤龍彦編/幻想文学界--渡辺温、中島敦、幸田露伴、久生十蘭など
★日本伝説集/武田静澄/現代教養
★日本の海の幽霊・妖怪/関山守彌/--船幽霊や妖怪も怖いけど難破船の実録が何よりも怖かった。。
★日本の怪談1、2/田中貢太郎/河出
○日本の民話7・妖怪と人間/松谷みよ子編/角川
★日本の昔話/柳田国男/角川
★日本怪談集妖怪編/今野円輔/教養文庫
△塗仏の宴 宴の支度・宴の始末/京極夏彦--話は面白いけど京極堂の気取った長講釈がウザい、以後この人のは読まなくなった。全部説明がつくのでホラーというより推理。
◎猫の縁談/ 出久根達郎/中公文庫--古本屋に集まる人間は社会や人生のアウトサイダー、そこが深くて面白い。
○根無し草の伝説/菊地秀行/出版芸術社ふしぎ文学館--ディザスターガールと腹切り同心は面白いがそれ以外はやや読みにくい。時代物は抜群に面白いのになぁ。オマケで○
○能登怪異譚/半村良/集英社
×呪いの博物誌/藤巻一保/学研--下ネタみたいな呪物が多くキモイ。
★萩原朔太郎/ちくま日本文学全集
○箱男/安部公房
△鼻/曽根圭介--表題作は意味がよくわからなかった。
★花嫁化鳥/寺山修司/中公文庫
△パノラマ島奇譚/江戸川乱歩/--乱歩の中ではあまり面白くはないけど、機械国の描写とかところどころさすがのイマジネーション。
★ひかりごけ/武田泰淳/新潮
○飛行蜘蛛/錦三郎/笠間書院;復刻版--蜘蛛の雪迎えの研究、蜘蛛に関する考察が興味深い
○日の移ろい/島尾敏雄
○百/色川武大/新潮
○百物語異聞/倉坂鬼一郎/出版芸術社ふしぎ文学館--比較的タイトな文章や百や古典を読み込んでるところ(ラブクラフト傾倒はちょっと辟易)は好みに近いけど、後半は冗漫で退屈な話が多い。制帽譚と地球儀は良。おまけで○
△百物語怪談会/東雅夫/ちくま--あまり怖くないけど明治の百物語はいかにも「怪談」という雰囲気。
△百物語の百怪/東雅夫/角川--興味深い部分もあるけど、無理矢理百物語になぞらえた編集が読み辛く途中で飽きる。
△百鬼夜行絵巻をよむ/澁澤龍彦、小松和彦、花田清輝他/河出新
△不思議な世界(ア)/山田太一編/ちくま--河合隼雄の共時性についての話は面白かった。
△不思議の扉-時間がいっぱい(ア)/大森望編/角川--幅広く集めてるわりには薄口で印象に残らない。
★不思議旅行/水木しげる/中公文庫
×仏像ミステリー/正木晃/講談社--歴史に興味がないと面白くない。
◎古本奇譚/出久根達郎/中公文庫--古本屋を見る目が変わった。
△文藝会談実話/東雅夫編/ちくま--昔の作家の恐怖体験集。あまり怖くない
△平成都市伝説(ア)/牧野修ほか/中央公論新社--口避け女が走ってくる話意外は印象薄い。
△ぼっけえ、きょうてえ/岩井志麻子/角川--面白いけど不浄な感じの作風なので何度も読み返したくはならない。
○ボッコちゃん/星新一
◎文豪ミステリー傑作選1、2/河出
×宝石傑作選/光文社--サスペンス劇場みたいな話ばかりで古く感じる。
△星の塔/高橋克彦/文芸春秋
×窓のこちら側/新井素子/ふしぎ文学館--面白くないことはないんだけどこの作家ならではの少女漫画チックな恋愛妄想炸裂っぷりが小っ恥ずかしくて読むのをやめた。
×魔よけ百科・世界編/岡田保造/丸善出版--説明は推測だけで浅く写真も印刷もマズい。紙だけが上等。
△真夜中の檻/平井呈一/創元推理
★水木しげるの妖怪文庫1~4巻/水木しげる/河出
○ミステリーストーン/徳井いつこ/筑摩--石の博物誌
◎みるなの木(短)/椎名誠/ハヤカワ
★宮沢賢治全集1~17巻/筑摩書房
★宮沢賢治童話集宮沢清六・堀尾青史編/実業之日本社--司修の挿画が大変に素晴らしい。巻末に賢治の実弟宮沢清六の貴重なエピソードあり。絶版になっていて残念。ぜひ再販して欲しい。
○名短編ここにあり/北村薫・宮部みゆき編/ちくま--山口瞳「穴」井上靖「考える人」面白かった。
★冥土・旅順入城式(短)/内田百/岩波--何度読み返したかわからないくらい愛読書中の愛読書。「山高帽子」がお気に入り。
◎迷宮レストラン/河合真理/NHK出版--歴史上の人物へ供する想像力を凝らした創作レシピ。作者の熱意と客への敬愛に感動した。写真、イラスト、全てに心配りが行き届いた上質な料理のような本。
△冥談(短)/京極夏彦/メディアファクトリー--怪談のツボを押さえて上手いけど誘導部分が長すぎてうんざり、飛ばし読みした。壁の穴から顔が覗く話が怖い。
◎物いふ小箱/森銑三/筑摩--気品高い幻想譚。
△夜陰譚(短)/菅浩江/光文社--女の嫉妬、コンプレックスなどが怪をなす現代版女の情念ホラー。文体も女性的に気取ってまわりくどい。
○夜窓鬼談/石川鴻斎/春風社
★山の人生/柳田国男/ちくま
△闇の司/秋里光彦/ハルキホラー--短編が面白かったので読んでみたけど期待外れ。土地描写と残酷描写が執拗なわりに鬼の核心を書いていないため、国家機密というわりにスケールが小さい話。怖いというよりスナッフフィルムを見せられるてるみたいで不快。併録短編「屍~」の方が面白いけど結末が曖昧で不満。
○闇の中の子供/小松左京/新潮
△闇夜に怪を語れば(ア)/東雅夫編/角川ホラー--百物語アンソロジー。読んだのも多かったけど、村上春樹はオーソドックスな話に新鮮な語り口。
○山原の土俗/島袋源七/沖縄郷土文化研究会
◎幽剣抄/菊地秀行/角川--ストーリーも面白いし、読後に薄ら寒さを残すなど怖さも面白さも十分。短編の雰囲気と味わいもなかなかで実力を感じる。
△幽霊は足あとを残す/小池壮彦/扶桑社
△雪女のキス-異形コレクション綺賓館2/井上雅彦監修/光文社--印象に残ったのは新津きよみ「戻ってくる女」くらい。テーマのせいか怖いより湿っぽく陰気な話多し。
△ゆめこ縮緬/皆川博子/集英社--独特の雰囲気があるけど文体が読みづらいため印象に残らない。
△夢泥棒/赤瀬川原平/新風舎--夢の記述が詳細執拗。いかにも昭和なイラストはつげ義春に似てるけどやはりどこか粘っこい。
★夢日記/つげ義春/文春文庫--妹が捨てようとしてたこの本をもらったのが、つげ義春にのめりこむきっかけだった。
◎夢野久作/ちくま日本文学全集
○夜市/恒川光太郎/角川--併収作の方が面白かった。
△妖怪Walker/村上健司/角川--全国の妖怪伝説が残る土地の紹介。情報量はそこそこあるが狐鬼天狗といったありふれた妖怪ふばかりでイマイチ。
△妖怪大戦争/荒俣宏/角川--中途半端な印象、すねこすり可哀相。
★妖怪談義/柳田国男/講談社
○妖怪・土俗神/水木しげる/PHP
△妖怪を見た人びと/並木伸一郎/学研--体験談聞き書きだがただの霊体験では?というの多し
○よもつひらさか/今邑彩/集英社
△夜が明けたら/小松左京/ハルキ文庫--「凶暴な口」など名作も入ってるけど、思い入れ描写がくどいので途中で飽きる。
△悦びの流刑地/岩井志摩子/集英社--意図的?なのか不浄な感じの作風。何作か読むとまたこういう展開かと思う。
○鎧櫃の血/岡本綺堂/光文社--怪談らしいのは表題作だけで他は江戸情緒話など。
★落城・足摺岬/田宮虎彦/新潮
★檸檬/梶井基次郎/新潮--「桜の木の下には」は傑作。
★忘れられた日本人/宮本常一/岩波
★われに五月を/寺山修司/角川
怪談・奇譚・ファンタジー・推理・ナンセンス・SF・ホラーなどの幻想文学のみ。左に属すと感じたらジャンルを限らず入れる。当然評価は主観オンリー。タイトルあいうえお順。
★・・・愛読書
◎・・・大層面白かった/感動した/私好み
○・・・まぁまぁ面白い
△・・・微妙/好みが分かれる/1度読めば十分
×・・・途中で止めた/全く記憶に残らなかった/不快
(ア)---アンソロジー (短)---短編集(タイトルから判らないもののみ)
※付記 2011年読了分からブクログへ移行しました。
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○緋い記憶(短)/高橋克彦
△悪魔のトリル(短)/高橋克彦/講談社--読んだ話ばかりだった。
○アド・バード/椎名誠/集英社--この人のエッセイには興味ないがSF作品は好き。読みづらいけどはまると独特の世界が癖になる。
◎あの世からのことづて/松谷みよ子/筑摩
△姉飼い/遠藤徹/角川--道具立てがセンセーショナルでも意外と底が浅い気が。
△鮎川哲也編怪奇探偵小説集1、2、3(ア)/ハルキ文庫--新青年など昭和中期くらいまでの短編を集める。新青年風の癖のある話が多く面白いけどやや飽きてくる。印象に残ったのは山本禾太郎「抱茗荷の説」
○アラマタ美術誌/荒俣宏/日刊ゲンダイ--講演をまとめたもの。例によって話が飛んだり自分だけわかってて?説明不足なとこもあるけど、古今美術史を縦横に歩き俯瞰して直感的に鷲掴みする独自の見識はユニークで新鮮で目からウロコ。
○アルファファ作戦(短)/筒井康隆/中公文庫
◎異界からのサイン/松谷みよ子/筑摩
△石の刻シティ/大原まりこ
★一千一秒物語/稲垣足穂/新潮文庫
○犬神家の一族/横溝正史/角川
×いのちのパレード(短)/恩田陸/--雰囲気だけの話でどれも印象うすい
△陰獣/江戸川乱歩
★雨月物語/上田秋成
○うつろ舟/澁澤龍彦
○うわさの人物心霊を生きる人々/加門七海/集英社~ユタ、行者、密教僧などのインタビュー。
×SFバカ本たいやき編・白菜編(ア)/ジャストシステム--遠視の話以外つまらん
△エスパイ/小松左京/角川
◎江戸川乱歩傑作選/新潮
◎江戸川乱歩全集 屋根裏の散歩者/光文社?--「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「人間椅子」
○奥州ザシキワラシの話/佐々木喜善
○おそれ/高橋克彦/ふしぎ文学館
△小川未明集・幽霊船/前近代的な哀話の陰惨さが怖い。
×押川春浪回想譚/横田順彌/ふしぎ文学館
○おそろし/宮部みゆき/角川--罪人への暖かい目線と人間性への深い視点で、単なる怪異譚に終わらないところがこの作家ならでは。物の怪と対決するシーンは感動的。でも全ての殺人が逆ギレした挙句のものというのは単純すぎる。
△恐ろしい話(ア)/ちくま文学の森--読んだのが多い。「三浦右衛門の最後」(菊池寛)が壮絶。
△怪を訊く日々/福澤徹三/メディアファクトリー--実話聞き書き系は類型化してるせいか読んでる間だけ怖くても読んだはしから忘れるのが多い中で、作家のひっそりした語り口が印象的。
△怪奇無尽講/飯野文彦/双葉社--怖いよりドロドロした気色悪く不快な話。オチも先にわかってしまった。
△怪狂譚/蜂巣敦/パロル舎--校正ミスが多い。。
△怪の標本/福澤徹三/角川--表題作は文体に雰囲気があって良
◎怪談・日本古典文学幻想コレクション/国書刊行会/西鶴諸国話、耳嚢、老媼茶話、御伽草紙などから怪談話を抜粋現代語訳。ブラボー!よくぞ出版してくれました。
△怪談累ヶ淵/勉誠出版--累ヶ淵に関する芝居・小説などを集める。柴田連三郎・田中貢太郎・狭山温など。
◎怪談徒然草/加門七海/角川--すべて作家の実体験で面白かった。
△怪談熱-福澤徹三/角川--怪談というより不条理の恐さ
○怪力乱神/加藤徹/中央公論--中国古典に現れる想像力と世界観を読み解く。興味深し。
◎鍵-自選短編集/筒井康隆/角川
○影が重なる時/小松左京/早川
★影を踏まれた女/岡本綺堂/旺文社
△傾いた世界/筒井康隆/新潮--「関節話法」は抱腹絶倒。声出して笑ってしまった。
◎河童・或る阿呆の一生/芥川龍之介
○壁 - S・カルマ氏の犯罪/安部公房
◎甲子夜話/松浦静山
○神隠し譚/松谷 みよ子、柳田国男、水木しげる他/桜桃書房--色々入っていて楽しめる。
○眼球綺譚(短)/綾辻行人/角川--かなりエグイ話もあるがストーリーがしっかりしている。
○玩具修理者/小林泰三/角川--面白いんだけどラヴクラフトへのオマージュがあからさまに出てくるのはしらけた。
○歌伝枕説/荒俣宏/世界文化社--東北の歌枕を訪ねる旅。時空を超えたスケール感と緻密な分析があいまって面白かった。東北はやはり不思議な土地だ。
△カランコロン漂白記/水木しげる/小学館--ふしぎ旅行の方が面白かった。水木さん自身について私は人間離れしたブキミな人と思っている。
△カンタン刑(短)/式貴士/光文社
◎聴耳草紙/佐々木喜善/筑摩--初めて聴耳草紙を読んだときは衝撃だった。遠野物語と違うグロテスクなほどの土着性こそが逆に民話の真実という気がする。
◎奇談・日本古典文学幻想コレクション/国書刊行会--男色大鑑、今昔物語、兎園小説、平家物語、太平記などから奇談を抜粋現代語訳。
△奇談蒐集家/太田 忠司/創元クライム・クラブ--読みやすい。
○魚籃観音記(短)/筒井康隆/新潮--「建物の横の路地には」この話大好き!「分裂病による建築の諸相」も良。
○狐のだんぶくろ/澁澤龍彥
×亀朴
×気まぐれスターダスト(短)/星新一/ふしぎ文学館--星新一は感動的に面白い話も多いけどコレは面白くなかった。シニカルだけど時代物の感がぬぐえず。
○記夢志/島尾敏雄/沖積舎
×旧怪談/京極夏彦/幽ブックス--耳袋を新耳袋風に意訳して台無しにしただけ。だいたい新耳袋の文体自体思わせぶりなわりにあいまいで怖くもないしつまらない。
◎鏡花短編集/川村二郎編/岩波
○驚愕の曠野-自選ホラー傑作集2/筒井康隆--表題作がともかく凄い、忘れられない印象を残す。
×狂鬼降臨(短)/友成純一/出版芸術社ふしぎ文学館--やたらとグロいだけで筒井康孝みたいなナンセンスもないし目新しさも無い。ただグロが書きたいだけみたいな作家。
○狂人日記/色川武大--昔一時色川武大にのめりこんでいた。どの話がどの本だったかごっちゃになっているけど。息を止めて水中に居るような苦しい読書だった。今でもそのフレーズのいくつかは心の深奥に刻まれている。
○恐怖館主人(短)・異形博覧会2/井上雅彦/角川ホラー--怖い&グロいけど本を閉じると後に残らず。日本版スプラッタパンク?
○虚無への供物/中井英夫
△燦めく闇/井上雅彦/光文社--散文的でストーリーが判り難い。残酷でダークなイメージの羅列だけの感じ。
○綺霊(短)/井上雅彦/ハルキホラー--鮮烈なショートショート。
◎近代能楽集(短)/三島由紀夫
○草迷宮/泉鏡花
○くちづけ(短)/小池真理子/出版芸術社ふしぎ文学館--女性主人公の虚無的な絶望状態が生み出す怪異はすごいリアリティと切なさを持っていて、しかも袋小路の恐怖。とても怖い。
◎くノ一忍法帖/山田風太郎
×首吊少女亭(短)/北原尚彦/出版芸術社ふしぎ文学館--湿った陰湿な感じのグロですぐ読むのが嫌になった。
△熊野物語(短)/中上紀/ --現代風に軽味な説話伝説。ここぞというところですーっと終わる尻切れ蜻蛉な感じで食い足りず、読後感が何も残らない。
△蜘蛛/遠藤周作
×くらら怪物船団/井上雅彦/角川ホラー--期待したが周辺描写ばかりで肝心の怪異の部分がちょっとしかなくて飽きた。
△暗闇(ア)/井上雅彦ほか/中央公論新社--「棲息域-宝珠なつめ」だけ面白かった。
◎黒い家/--現代的なホラー。いろんな意味で怖い。犯人が最後どんどん超人化していくのがちょっとだけど、久々に本格的で優れたホラー作品に出会えて感動。
○黒い布/色川武大
△黒蜥蜴/江戸川乱歩
△拳銃稼業(短)/大藪春彦/--スピード感があってゾクゾクするピカレスクなんだけど、ところどころ古くて残念。ボスの情婦のマンションが月7万て。
△幻想小説大全・鳥獣虫魚(ア)/北宋社--内外有名短編の寄せ集め、読んだのが多かったが「虫づくし(新井紫都子)」は面白かった。
★幻想小説名作選/半村良選/集英社文庫--夏目漱石「夢十夜」川端康成「片腕」など傑作ぞろい。特にお気に入りは都筑道夫「風見鶏」半村良「ボール箱」「牧神の春」中井英夫。
○幻想図像集-神々・占星術編/八坂書房--説明が雑なところがかえって面白かった。
○幻想図像集-怪物編/八坂書房--モンスターを大雑把に網羅してるのがかえって面白かった。
◎現代怪談集成上・下/中島河太郎・紀田順一郎編/立風書房--泉鏡花「海異記」太宰治「竹青」橘外男「逗子物語」など
△蠱/加門七海/集英社--実体験ほどには小説の方は。この人の文体はもうひとつのれない。
○巷説百物語/京極夏彦/角川--風俗描写が生き生きしていて楽しめた。ホラーというか異常心理犯罪もの?
○ゴードンスミスの日本怪談集/荒俣宏訳/角川--当時の絵師によって書かれた挿画が素晴らしい。物語りも現在のように痩せていないで豊潤。
△ゴーストと出会う夜/大原広行/新紀元社--西洋のゴーストの浅い解説。
×コーヒー党奇談(短)/阿刀田高/講談社--ありきたりな感じ。
★心/ラフカディオ・ハーン/岩波
◎古城秘話/南條範夫/河出
△木霊狩り/荒俣宏/文藝春秋--木が種によって「木霊」を持つというこの人独特の視点が面白いけど、話が飛ぶのと説明が尻切れ蜻蛉のことがあるのがちょっと。
△子供に語ってみたい日本の古典怪談/野火迅/草思社--勝手な意訳が香気に乏しく感心しない。
△壊れ方指南/筒井康隆/文藝春秋--ちょっと面白いのもそうでないのも。
△金色の死(短)/谷崎潤一郎/講談社--「母を恋ふる記」がいいくらい。
×今夜はパラシュート博物館へ/森博嗣/講談社--アンソロジーに入ってたぶるぶるは面白かったけど冒頭のお屋敷お嬢様の会話がうんざり、主人公が出る前にギブアップ。趣味じゃない。
△さいはての家~その他の物語/菊地秀行/光文社--幻想的な雰囲気豊か。
◎坂口安吾集/ちくま日本文学全集
△殺意の風景/宮脇俊三/光文社
○座敷ぼっこ/筒井康隆/出版芸術社ふしぎ文学館
★サラサーテの盤/内田百/福武文庫--「青炎抄」「東京物語」など私を虜にして離さない百幻想文学の至宝を網羅。
△時間エージェント/小松左京/新潮
△死国/坂東真砂子/角川--登場人物の心理描写が丁寧でわりと面白かったが、猫殺し女と知ってからは二度と読まない。
△七人の安倍清明(ア)/文春文庫--たいして印象に残る話なし。
△死にまつわる日本語辞典/奥山益朗/東京堂出版--戦中派の編者の地に足のついた視点。文学作品の一文を引いている。
△十月のカーニヴァル-異形コレクション1/井上雅彦監修/光文社--秋里光彦「かごめ魍魎」が面白くて怖かった。
△十七人目の死神/都筑道夫/角川
△十の恐怖(ア)/井上雅彦・赤川次郎・小林三など/角川--低年齢層向けでどれも軽め。
○叙情歌/川端康成--川端文学の怪談集成
△叙情的恐怖群/高原英理/毎日新聞社--散文的でとりとめのない文章が話に乗りにくく気色悪いわりに怖くない。町だの道だの環境描写が執拗というかそれを書きたくて書いてる感じ、恐怖部分が曖昧で怖くない。レズ女性の話はちょっと面白かった。
◎新・石の伝説/石上堅/集英社
○人獣細工/小林泰三/角川--グロいけど面白い。
◎人生処方詩集/寺山修司編著/立風書房
◎新青年傑作選/角川
△真珠郎/横溝正史/角川
○人造美人/星新一
△新耳袋コレクション恩田陸編/木原・中山」/メディアファクトリー--新耳袋は全部採取した実話だそうだけど、編集で話のトーンを揃えてあるためにリアリティが減じて実話ぽく感じない。誤植多し。
△水妖記/岸田理生/角川ホラー--精一杯ドロドロにエロティックに書いてるけど微妙に古臭くてエロくない。パターン化が見えるのと登場人物などの細部が雑。惜しい。
○砂の女/安部公房
○生家へ/色川武大/
◎世界でいちばんコワイ話/竹内健・宇野亜喜良/新書館--挿絵と相まって強い印象
○絶海ノン・ノベル/祥伝社--近藤史恵「この島でいちばん高いところ」は衝撃的かつ感動的な忘れ難い話だった。
○戦国自衛隊/半村良/ハヤカワ--痛快。
○戦争はなかった/小松左京/新潮
★掌の小説/川端康成/新潮
◎そして粛清の扉を/黒武洋/新潮--現実には無理な社会の癌への爽快な復讐。こういうテーマはわりと好き。むしろもっと出てきて良いと思う。
◎大妖怪/藤原審爾/文芸春秋
△高砂幻戯/小松左京/ハルキ文庫--粘っこい世話物風思い入れ描写はほど飛ばし読み。
○地球になった男/小松左京/新潮
△地獄番鬼蜘蛛日誌/斎樹真琴/講談社--面白いけど台詞が漫画っぽくて安い。閻魔が自分を「麿」って変。
○父が消えた/尾辻克彦/河出新
△懲戒の部屋-自薦ホラー傑作集1/筒井康隆/講談社--よくこんな気色悪いor精神的不快な話思いつくものだと変な感心。「近づいてくる時計」が良。
×鎮守の森に鬼が棲む(ア)/講談社時代小説傑作選--タイトルに騙された、中身はただの時代小説集。タイトルが全然中身と関係ない!!(怒)幻想文学じゃないけど二度と間違えて手に取らないよう載せておく。
△九十九怪談/木原浩勝/角川
△九十九怪談第二夜/同/同--ここぞというとこで話を切るのであまり怖くない、すぐ忘れる。
○出口/尾辻克彦/河出新
★田園に死す/寺山修司/角川
◎鉄塔のひと・その他の短篇/椎名誠/新潮
△伝説は生きている/高田紀子/道新出版局--北海道内の伝説。写真はきれいだけど文章が素人臭い。
★天体嗜好症/稲垣足穂/河出新
△東西不思議物語/澁澤龍彦/河出
★遠野物語/柳田国男/新潮
△ドールズ/高橋克彦/角川
◎都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト/澁澤龍彦/河出--澁澤の作品は小説評論含めてほとんど読んでいると思う。独特の気取った文体にはやや反感を持っていたけど、死を間近にして声を失い喉に穴をあけてチューブを通し寝たきりの状態で書いたこの一文の透徹ぶりには圧倒された。まさに澁澤ダンディズムの面目躍如と感服した。
×となりの宇宙人(短)/半村良/河出--この人にしてはつまらなかった。
△隣之怪木守り/木原浩勝/メディアファクトリー
△隣之怪蔵の中/木原浩勝/メディアファクトリー
○雪崩連太郎幻視行/都筑道夫
△七色の海/曾野綾子/出版芸術社ふしぎ文学館
△七つの黒い夢(ア)/ 乙一、恩田陸、北村薫、岩井志麻子ほか/新潮--印象に残らない
△七つの死者の囁き/有栖川有栖、道尾秀介、鈴木光司ほか/新潮文庫--心霊や殺人よりもメンヘラが怖かった。
△奈落(ア)/集英社文庫--漫画家転じて作家となったの山上龍彦の短編が一番鮮烈だった。あとは印象薄い。
○肉食屋敷/小林泰三/角川
◎二笑亭奇譚/式場隆三郎/ちくま
△日本怪奇小説傑作集1~3/創元推理--ほとんど読んだもの多し
◎日本怪談集1、2/種村季弘編/河出
○日本怪談集幽霊編上下/今野円輔/中公文庫--子供の頃持ってた。久しぶりに読んだが昭和初期~30年代くらいまでの体験談だけど、現代のとずいぶん違っている印象。
○日本幻想文学大全-幻想のラビリンス上・下/澁澤龍彦編/幻想文学界--渡辺温、中島敦、幸田露伴、久生十蘭など
★日本伝説集/武田静澄/現代教養
★日本の海の幽霊・妖怪/関山守彌/--船幽霊や妖怪も怖いけど難破船の実録が何よりも怖かった。。
★日本の怪談1、2/田中貢太郎/河出
○日本の民話7・妖怪と人間/松谷みよ子編/角川
★日本の昔話/柳田国男/角川
★日本怪談集妖怪編/今野円輔/教養文庫
△塗仏の宴 宴の支度・宴の始末/京極夏彦--話は面白いけど京極堂の気取った長講釈がウザい、以後この人のは読まなくなった。全部説明がつくのでホラーというより推理。
◎猫の縁談/ 出久根達郎/中公文庫--古本屋に集まる人間は社会や人生のアウトサイダー、そこが深くて面白い。
○根無し草の伝説/菊地秀行/出版芸術社ふしぎ文学館--ディザスターガールと腹切り同心は面白いがそれ以外はやや読みにくい。時代物は抜群に面白いのになぁ。オマケで○
○能登怪異譚/半村良/集英社
×呪いの博物誌/藤巻一保/学研--下ネタみたいな呪物が多くキモイ。
★萩原朔太郎/ちくま日本文学全集
○箱男/安部公房
△鼻/曽根圭介--表題作は意味がよくわからなかった。
★花嫁化鳥/寺山修司/中公文庫
△パノラマ島奇譚/江戸川乱歩/--乱歩の中ではあまり面白くはないけど、機械国の描写とかところどころさすがのイマジネーション。
★ひかりごけ/武田泰淳/新潮
○飛行蜘蛛/錦三郎/笠間書院;復刻版--蜘蛛の雪迎えの研究、蜘蛛に関する考察が興味深い
○日の移ろい/島尾敏雄
○百/色川武大/新潮
○百物語異聞/倉坂鬼一郎/出版芸術社ふしぎ文学館--比較的タイトな文章や百や古典を読み込んでるところ(ラブクラフト傾倒はちょっと辟易)は好みに近いけど、後半は冗漫で退屈な話が多い。制帽譚と地球儀は良。おまけで○
△百物語怪談会/東雅夫/ちくま--あまり怖くないけど明治の百物語はいかにも「怪談」という雰囲気。
△百物語の百怪/東雅夫/角川--興味深い部分もあるけど、無理矢理百物語になぞらえた編集が読み辛く途中で飽きる。
△百鬼夜行絵巻をよむ/澁澤龍彦、小松和彦、花田清輝他/河出新
△不思議な世界(ア)/山田太一編/ちくま--河合隼雄の共時性についての話は面白かった。
△不思議の扉-時間がいっぱい(ア)/大森望編/角川--幅広く集めてるわりには薄口で印象に残らない。
★不思議旅行/水木しげる/中公文庫
×仏像ミステリー/正木晃/講談社--歴史に興味がないと面白くない。
◎古本奇譚/出久根達郎/中公文庫--古本屋を見る目が変わった。
△文藝会談実話/東雅夫編/ちくま--昔の作家の恐怖体験集。あまり怖くない
△平成都市伝説(ア)/牧野修ほか/中央公論新社--口避け女が走ってくる話意外は印象薄い。
△ぼっけえ、きょうてえ/岩井志麻子/角川--面白いけど不浄な感じの作風なので何度も読み返したくはならない。
○ボッコちゃん/星新一
◎文豪ミステリー傑作選1、2/河出
×宝石傑作選/光文社--サスペンス劇場みたいな話ばかりで古く感じる。
△星の塔/高橋克彦/文芸春秋
×窓のこちら側/新井素子/ふしぎ文学館--面白くないことはないんだけどこの作家ならではの少女漫画チックな恋愛妄想炸裂っぷりが小っ恥ずかしくて読むのをやめた。
×魔よけ百科・世界編/岡田保造/丸善出版--説明は推測だけで浅く写真も印刷もマズい。紙だけが上等。
△真夜中の檻/平井呈一/創元推理
★水木しげるの妖怪文庫1~4巻/水木しげる/河出
○ミステリーストーン/徳井いつこ/筑摩--石の博物誌
◎みるなの木(短)/椎名誠/ハヤカワ
★宮沢賢治全集1~17巻/筑摩書房
★宮沢賢治童話集宮沢清六・堀尾青史編/実業之日本社--司修の挿画が大変に素晴らしい。巻末に賢治の実弟宮沢清六の貴重なエピソードあり。絶版になっていて残念。ぜひ再販して欲しい。
○名短編ここにあり/北村薫・宮部みゆき編/ちくま--山口瞳「穴」井上靖「考える人」面白かった。
★冥土・旅順入城式(短)/内田百/岩波--何度読み返したかわからないくらい愛読書中の愛読書。「山高帽子」がお気に入り。
◎迷宮レストラン/河合真理/NHK出版--歴史上の人物へ供する想像力を凝らした創作レシピ。作者の熱意と客への敬愛に感動した。写真、イラスト、全てに心配りが行き届いた上質な料理のような本。
△冥談(短)/京極夏彦/メディアファクトリー--怪談のツボを押さえて上手いけど誘導部分が長すぎてうんざり、飛ばし読みした。壁の穴から顔が覗く話が怖い。
◎物いふ小箱/森銑三/筑摩--気品高い幻想譚。
△夜陰譚(短)/菅浩江/光文社--女の嫉妬、コンプレックスなどが怪をなす現代版女の情念ホラー。文体も女性的に気取ってまわりくどい。
○夜窓鬼談/石川鴻斎/春風社
★山の人生/柳田国男/ちくま
△闇の司/秋里光彦/ハルキホラー--短編が面白かったので読んでみたけど期待外れ。土地描写と残酷描写が執拗なわりに鬼の核心を書いていないため、国家機密というわりにスケールが小さい話。怖いというよりスナッフフィルムを見せられるてるみたいで不快。併録短編「屍~」の方が面白いけど結末が曖昧で不満。
○闇の中の子供/小松左京/新潮
△闇夜に怪を語れば(ア)/東雅夫編/角川ホラー--百物語アンソロジー。読んだのも多かったけど、村上春樹はオーソドックスな話に新鮮な語り口。
○山原の土俗/島袋源七/沖縄郷土文化研究会
◎幽剣抄/菊地秀行/角川--ストーリーも面白いし、読後に薄ら寒さを残すなど怖さも面白さも十分。短編の雰囲気と味わいもなかなかで実力を感じる。
△幽霊は足あとを残す/小池壮彦/扶桑社
△雪女のキス-異形コレクション綺賓館2/井上雅彦監修/光文社--印象に残ったのは新津きよみ「戻ってくる女」くらい。テーマのせいか怖いより湿っぽく陰気な話多し。
△ゆめこ縮緬/皆川博子/集英社--独特の雰囲気があるけど文体が読みづらいため印象に残らない。
△夢泥棒/赤瀬川原平/新風舎--夢の記述が詳細執拗。いかにも昭和なイラストはつげ義春に似てるけどやはりどこか粘っこい。
★夢日記/つげ義春/文春文庫--妹が捨てようとしてたこの本をもらったのが、つげ義春にのめりこむきっかけだった。
◎夢野久作/ちくま日本文学全集
○夜市/恒川光太郎/角川--併収作の方が面白かった。
△妖怪Walker/村上健司/角川--全国の妖怪伝説が残る土地の紹介。情報量はそこそこあるが狐鬼天狗といったありふれた妖怪ふばかりでイマイチ。
△妖怪大戦争/荒俣宏/角川--中途半端な印象、すねこすり可哀相。
★妖怪談義/柳田国男/講談社
○妖怪・土俗神/水木しげる/PHP
△妖怪を見た人びと/並木伸一郎/学研--体験談聞き書きだがただの霊体験では?というの多し
○よもつひらさか/今邑彩/集英社
△夜が明けたら/小松左京/ハルキ文庫--「凶暴な口」など名作も入ってるけど、思い入れ描写がくどいので途中で飽きる。
△悦びの流刑地/岩井志摩子/集英社--意図的?なのか不浄な感じの作風。何作か読むとまたこういう展開かと思う。
○鎧櫃の血/岡本綺堂/光文社--怪談らしいのは表題作だけで他は江戸情緒話など。
★落城・足摺岬/田宮虎彦/新潮
★檸檬/梶井基次郎/新潮--「桜の木の下には」は傑作。
★忘れられた日本人/宮本常一/岩波
★われに五月を/寺山修司/角川
ピンホール

カメラを買った。
デジカメの具合が悪くなってきて「買わなきゃなぁ」と思いつつ、どうもピンとくるのが無いまま早1年余り。そんな折電器屋でたまたま出たてのCANON EOS kiss Fを手にとってみてビックリ、今のデジタル一眼レフってこんなに軽いの!コンデジかデジイチか迷っていたのがこの瞬間晴れた。(予算オーバーだけど。)密かに次は絶対CANONと思ってたので即決断、ではなく慎重な性格ゆえ色々調べて、結局上位機種のEOS kiss X2に決めた。買ったよと自慢するのも気恥ずかしいほど現在バカ売れ中の人気機種だ。
さて、マニュアル&デジイチの基礎本数冊も読んだしおっかなびっくり撮影開始。…ピント合わないしー。9点フォーカスに四苦八苦、AFなのにピント合わせるのがいちいち面倒、ライブビューにするとなぜかさらにまだるっこしい!!アバウト人間には一眼レフなんて無理だったかな~と早くも投げ出しモードに。でもセットで買った望遠レンズを試し撮りしているうち面白さに気づいた。望遠って遠くの山とか野鳥とか撮るものかと思ってたけど、室内のポートレートやスナップにもガンガン使えるじゃん。ピントも合いやすいし。今はAFを捨ててマニュアルでピント合わせるようにしたので、ようやく新しいカメラを億劫がらずに使うようになってきて、だんだん面白くなってきている。そうかカメラの楽しみって新しい「目」を獲得することなんだな。
そんなこんなで、このところはまっているのがデジカメをトイカメにして遊ぶこと。キッチュレンズ工房という本を読んだら面白そうだったので、早速ピンホールカメラにトライしてみた。上の画像2枚はピンホールで撮ったもの。ピンホールの構造は下の通り。

わははwww新品のX2が情けない姿に。ジャム壜のフタにドリルで穴を開け、そこにステンドグラス用コパーテープ(一番適してるらしい)に極細針で穴を開けたものを貼り付けただけ。裏側はジェッソで黒く塗った。それにしてもセロテープはないだろう自分(笑)。こんなちゃちな仕掛けで写るのかなと思ったら、写るんだねこれが。ファインダーをのぞくと最初真っ暗なんだけど、ジーっと見てると景色がぼぅっと浮かんでくる。そしたら感度とシャッタースピードを適当に組み合わせて撮る。初めて写ったのを見たら念写みたいでかなり感動した。天気が良かったせいか白いもや状に写ったので補正はかなりアンダーにセット。面白くて庭の花とかバシャバシャ撮りまくった。

本物のピンホールカメラを作ろうとしたらけっこう大変だ。撮影には三脚も必要だしフィルムをセットして現像しなきゃならない。でもレンズを外してこんなものをポンと取り付けるだけでピンホールカメラの気分を味わえる手軽さは、デジタル一眼レフならではだ。
でも撮った後で不満も出てきた。針穴写真らしい四隅の黒が無いし画面が丸くゆがんでなくて”これぞピンホール写真”という味わいが無いのが物足りない。下手するとただのボケボケ写真…。そこで庭は止めて室内で小物を撮ってみた。

ぎゃー下手っ!!(汗)手持ちで撮ったのでブレブレ。ノスタルジックな感じにしたかったのにー。えーん。。トイカメ風写真は撮る物のチョイスも大事かも。できれば街のスナップとか撮ってみたいけど、まずジャムのフタをなんとかしないと。まだちゃんとしたカメラの基礎も会得しないまま早くも脇道に迷い込んでゆくのであった。