やさしい場所

昨日は北見相生駅に行ってきた。
去年もたしか初冬に行ったはずなので約1年ぶり。
山が紅葉してきれい。
ここに来るとほっとする。ふっと心が柔らかくなる。

古ぼけた駅舎には昔の無線や駅の備品がひっそりと展示してある。
線路も残っているし、古い貨車とディーゼル車もある。
昭和60年の廃線以来ずっと静かに停まり続けている。
すべてが古びていてひっそりと静か。
時間が止まっているみたい。

置いてあった雑記ノートをパラパラめくってみた。
ここを訪れた旅行者や遠出をする地元の人の書き込み。
この中に昔の仲間の書き込みがないかなと一瞬思う。
20年も前にこの駅で仲間とキャンプした。初めての北海道。
結局あの旅が私をこの地へ呼んだのかもしれないと思ったりして。
でもここに惹かれるのは、思い出のせいだけじゃない。

子供のころ育った家は窓を開けると目の高さに線路があった。
いつも目の前をひっきりなしに電車が通過してた。新幹線も通った。
とりわけ夜中には長い時間貨車が通過した。
その音を子守唄みたいにして育った。
私は今でも真っ黒な貨車が一番好きだ。

ここに来ると忘れていた懐かしい時間に触れた気がする。
ひっそり静まったまま待っていてくれる古いモノたち、
それらに慰められて、少しだけ優しい自分になれる。

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プロフィール

胡舟

Author:胡舟
北海道オホーツクに在住し北の海のクラフトを作っています。

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