能除一切苦

般若心経の中心思想を体現する「空」という概念。これの解釈が大変に難しい。でもそれが理解できれば、一切の苦しみから解放されるらしい。だからいろいろ調べている。でもなかなかわからない。

夏に能取岬に行ったとき、灯台の公開日だったので一番上まで上ってみた。視界の270度くらいが海で、足元は無論目がくらむような高さ。そこに立って海に向かって手を伸ばし、胸を開いて、目をつぶって湿った風を感じてみた。閉じた瞼の内側に海を感じる。意識が風に解けてほぐれてゆき、とても自由になっていく気がする。自分の意識が、この場所から岬全体に、天空に広がっていくような感覚。そして体の感覚はなくなり、意識は風になる。

「空」とは「無辺」ではないだろうか。
私なりに感じたこと。たぶん違っているだろうけど。

人生は別れと悲しみに満ちている。さよならだけが人生、まさに。一切の苦悩から解き放たれるありがたい教えなら、なんとか理解したいと、毎日般若心経を読んでいる。
プロフィール

胡舟

Author:胡舟
北海道オホーツクに在住し北の海のクラフトを作っています。

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