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汁かけご飯

汁かけご飯が好きだ。
汁かけごはんと上品に書いたけど「ぶっかけ飯」の方がニュアンスが近い。

子供のときご飯と味噌汁が一緒に出てくると、二膳目で父は味噌汁をバッとご飯にかける。おこうこ(漬物)が出てればそれも乗せて、食べる。やけに美味しそうに見えて私が真似しだすと、母はいつも嫌な顔をして「女中みたいな食べ方をして」と言った。(多分父のも苦々しく思ってたんだろうけど、私に向かって本心を言ったわけだ。)私は汁をかけた上に納豆でも焼きタラコでもなんでも混ぜたから、母には見苦しかったのかもしれない。

そうは言われても一度知った美味しさは忘れられない。作家の開高健氏がぶっかけ飯には食物の美味しさの髄が凝縮している、てなことを説いておられた。全く同感。実家にいる間は遠慮してたけど、結婚後はぶっかけ飯全面解禁にした。というより、我が家の定番メニューとして堂々独立させた。
まずは雑炊やおかゆといった汁物が好きでない夫の改造から。つみれ入り汁とか、鶏ガラスープ+豆板醤+胡麻油の中華風とかちょっと技あり汁を作って、食べる直前にご飯に注いでみせる。上から白髪ネギをパラパラ、あるいは紫蘇の実をパラパラ。どーだ、旨いだろう。今では雑炊ときくとパブロフの犬並に喜ぶ。

テレビドラマ「木枯らし紋次郎」にもぶっかけ飯はよく出てきた。山の茶屋でご飯を注文すると、茶碗飯と汁と漬物がちんまりと出てくる。その全てをご飯といっしょくたにし、箸を棒のようにつかんで荒く2、3回かき混ぜ、ろくに噛まないでガーッと流し込む。食事は1分くらいで終わる。食べた後天を仰いでああ、という表情をする。
これはあまり噛まないで飲み込むことにより、消化の時間を遅らせて少しでも長く食物を胃の中にとどめておこうとする知恵なのだそうだ。流れの渡世人はまともな食事を摂れることはめったにない。食べるイコール生きる、ということがリアルに感じられる、印象的な食事風景だった。

でもちゃんとかけ汁を作るのではなく、冷めた味噌汁をご飯にかける”正統派ぶっかけ飯”がいまだに好き。独りで昼ごはんを食べるときは、こっそりよくやっている。
プロフィール

胡舟

Author:胡舟
北海道オホーツクに在住し北の海のクラフトを作っています。

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