幻視人ジミー



ジミー大西の絵は私の好きなタイプの絵とは違うから、favoriteというよりrespectかもしれない。何かの機会に見かけるたびに、おおすげえ!!と思う。絵がわけのわからない奇声を発してるというか、ブードゥー教の呪い師が今まさにトランス状態に突入した場面に出くわしてしまったというか、ともかくわけがわかんないのにすごい。賢しらな批評や批判を跳ね飛ばしてしまう、はちゃめちゃなパワーと凄みがあると思う。こんな想像力いったいどこから沸いてくるのだろう。
それは精神の中からというより、もっと根源的な本能から生まれたというか。形にも言葉にもできない、表すとしたら叫びか絵にしかならない何かというか。ある一個の生命が「存在してる」という叫びそのもの、という気がする。うまく説明できないし、説明するような絵ではないと思う。ひとつだけもっともらしい感想を言うとすれば、色の使い方が、ともかくもうすごい。何にもとらわれていない。こんな色使いどうやって思いつくんだろう。

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澁澤龍彦がよく使ってた「幻視者」という言葉を思い出す。幻視者はその資質からのみ生まれるものなのだそうだ。職業素朴画だとか幻想画風テクニック絵が世に氾濫してるけど、ジミーの絵は正しく幻視者的資質から生まれた、本物の力強いアートだと私は思う。
プロフィール

胡舟

Author:胡舟
北海道オホーツクに在住し北の海のクラフトを作っています。

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