ガマの穂

こないだ田舎道でガマの穂を見かけて、それで思い出したこと。
小さい時に因幡の白兎の絵本を読んで、ガマの穂にいたく興味を持った。
毛をむしられたウサギがガマの穂の上を転がったら元にもどったというので、
ガマの穂っていったいどういうものなんだろう?と。
町の子だったのでガマの穂なんて見たことがない。
絵本の挿絵でもその辺はっきりとは描いていなかった。
あるとき夏休みに家族で田舎に行って、初めてガマの穂を見た。
「あれがそうだよ」と言われて見たそれは背が高くて
茶色いがさがさした長いロール状のモノが突っ立ってる変な草だった。
何よりもまず「焦げたアメリカンドッグみたい」と思った。
あのアメリカンドッグの上をウサギが転がるのか。
一応わかったけど、なんとなく納得がいかなかった。
ふわふわした小さな花みたいな草をイメージしてたのに、なんだかなぁ。
やっと納得がいったのは、さらに数年後のやはり夏休み
自分でガマの穂を採って茶色のロールを割ってみた時だった。
中に白い細かい繊維がぎっしり詰まっていたのだ。
なーるほど!この白い毛がうさぎについて、そのまま治ってしまったのね。
すっかりわかって満足したけど、ちょっと疑問が残った。
日本書紀の大国主命は「ガマの穂を割って中の繊維を出して
その上を転がりなさい」なんて詳しく教えてくれてはいない。
子供用のお話になっていても、そこは原文のままただ
ガマの穂をとって上を転がりなさいとなっているだけだ。
なんでガマの穂なのかというあたりを突っ込んで解釈してないし、
挿絵などでもわかりやすく描いてるのは見たことがない。
今もどこかで私のようにギモンを持っている子供がいるのかな。