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借家自慢

昨日の未明大きな地震があった。関東に住んでた時は地震なんて慣れっこだったけど、去年秋に釧路沖地震を体験しているので昨日はかなり怖かった。とはいえ眠さに勝てずそのまま寝てしまったけど。

地震が怖いのは私たちが古い家、もといボロ家にばかり住んできたためでもある。埼玉にいたとき住んでた借家は今時珍しいような、旧街道筋の町屋もどきの古い木造家屋で、板張りの隙間から風が入ってくるような家だった。天井は真っ黒な杉板でとても高い。電灯の蛍光灯を換えるには脚立が必要だった。この家はお客さんに人気で、畳に座って縁側から庭を眺めてボーっとするうちつい長居になる人が続出した。(笑)
もちろん私たちもこの家を大いに気に入ってた。でも一番気に入ってたのは猫のナナかもしれない。屋根に上がったり庭木に登ったり、家中のどこにでも自由気ままに入り込んで寝場所にしていた。実際ナナが入って寝るのにちょうどいい天袋や押入れがたくさんついていた。
この家、地震の時は当然すごーく揺れる。「今の大きかったなぁ」と思ってTVをつけると埼玉は震度3となってたりしてガックリ。おかげで地震の揺れを割り引いて感じるという妙な癖がついてしまった。

北海道に来て以来住んでいる今の借家も相当にボロ。埼玉の家に比べると寒冷地だけに窓が二重になっているなど断熱性は良いけれど、今度は木造ではないから地震時の怖さはぐっと増した。そんな北のボロ家の自慢は庭。前の借家も庭がしっかりあるのが気に入っていたのだけど、今の家も庭が相当広い。東京なら5-6軒も家が建ってプチ分譲地になっているはず。前の持ち主が庭自慢だったらしく、多すぎるくらいにたくさんの木が植えてある。ちょっとした林みたいだ。家裏には踏み込めない藪があったりして、なんだかわからないつる草がもじゃもじゃ生えてる。そういうのが楽しい。私は庭のない家には住めない人間なのだ。

私は借家運がいいらしい。もしそういう運があるとすればだけど。埼玉借家も北海道借家も、偶然に近い形で出会い、どちらも下見に行ったときにふわっと温かい感じを受けた。なんとなく家に歓迎されてるような気がしたのだ。ここなら楽しく過ごせそうな気がした。予感通り、埼玉の借家時代はとても楽しかった。今の借家も猫たちともども気楽に住まわせてもらっている。

しかしこの二つの借家の間に、実は一度持ち家を持っている。埼玉時代に中古物件を購入したのだ。不動産屋を掛け持ちして何軒も下見したけど、なかなか気に入った家がなかった。購入したその家は借家からいくらも離れていない距離で、希望した通りの条件を備えていた。来る日も来る日も物件めぐりで疲れ果てていた私は、意外な近さに希望通りの物件が見つかったことに狂喜し、ほとんど見て直ぐ購入を決めた。物件引渡しの日、新しい家にカギを開けて入り和室の畳に座って猫の額ほどの庭を眺めながら感じたのは、なんとなく家に拒否されているような気配だった。はっきりとはわからないけど、以前借家に入った時のような「ああ、やっとこれで落ち着いた」という”我が家の安堵感”みたいなものが感じられなかったのだ。見知らぬ他人の家に、住人の留守に入っているような居心地の悪さ。自分はよそ者なのだと。今でもあの時の感覚ははっきりと覚えている。その日の予感は後日的中した。詳しくは書かないけどある重大な環境上の瑕疵が隠されており、それとの闘いに私は文字通り神経をすり減らす日々を送ることになる。

今にして思えばそのことが北海道へ向かわせるきっかけになるのだから、人生ってどう転ぶかわからないものだと思う。再び気楽な借家暮しをしている現在、ローンや家の欠陥でくたくたに疲れささくれていた当時の日々を、何か遠い幻みたいに感じる。ともかく、持ち家であろうと借家であろうと、その家が発するオーラみたいなものがあるんだと思うのだ。家や土地との相性があるのかもしれないと、自分の経験から確信している。少なくとも今の家と私たちの関係は今のところ良好のようだ。
プロフィール

胡舟

Author:胡舟
北海道オホーツクに在住し北の海のクラフトを作っています。

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