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太郎冠者椿



鉢植えの椿「太郎冠者(たろうかじゃ)」が今年も咲いた。毎年2月末か3月には鮮やかなピンクの花をつけて、まだ雪の多い北海道にも春が来ていることを告げてくれる。伸びた枝を去年かなり切り詰めたので今年は花が少なめだけど、無事に咲いてくれて良かった。南窓の前で花はすぐに暑がってぽとりと落ちてしまう。そういう花はナナの飲み水の入った青いガラス鉢に浮かべる。ナナは花をよけて上手に水を飲む。

母が椿好きで、実家に古典椿がいくつかあった。黒侘に白侘、西王母に豊玉、式部、朴伴…奥床しげな名前が並んでいたっけ。(こちらのページにまとまっている。)私は気取った侘助系よりも明るい西洋椿や、パラパラと花びらの散る親しみやすい山茶花の方が好きだった。でもこの太郎冠者は正しく侘助椿だけれど埼玉県花園町の農業センターで花を見て一目惚れしてしまった。クリアだけど温かみのある、やや青みを帯びたピンク。艶やかで大らかな葉。なんといっても花色が素敵だし、形も侘助に多い「うつむきがち、筒咲き」ではないやや開いた花形が、明るい雰囲気で私好み。以前は小さな株を育てていたのだけど、北海道へ来る直前に寒冷地でも負けないようにと大き目の株を買い求めて、一緒に引っ越してきた。以来毎年春の使者となってくれている。

でも太郎冠者には欠点がひとつある。侘助(わびすけ)というのは古くからやぶ椿を元に品種改良が行われてきた結果生まれた椿の一系統だが、実は侘助の元親となったのが太郎冠者(別名「有楽・うらく」)なのだ。つまり太郎冠者自体は度重なる品種改良を被っていないので、原種の樹勢の強さや生きのよい瑞々しさを保っていてそれが魅力である反面、樹形が粗いという欠点がある。形が整わず枝が暴れるのだ。葉がやや大きめで優しい花に似合わず少し粗雑な印象もある。上手に仕立てられればいいのだろうけど、腕に自信が無くて枯らしてしまうのが恐い私は、おっかなびっくり伸びすぎた枝を切ってやるのがせいぜい。それでも近年はこの暴れん坊ぶりも愛い奴と思えるようになってきた。しかしせっかくの花盛りの鉢をリビングに置きたくても、枝が場所をとって仕方が無いので叶わないのが残念だなぁ。

ところで椿の系統についてネットで調べてみたけど、満足のいくサイトには出会えなかった。バラなぞはいくらでも出てくるし、君子蘭の育て方を調べたときはクンシランのみの詳細な情報で埋められた専門サイトが複数見つかったのに。古くから日本中に愛好者の多い椿の情報が少ないとは意外。椿を愛培なさる人は楚々と咲く雪椿のごとく、ネットでもあまり出張らないのだろうか?そういうのも調べてみると面白いのかもしれないけど。
「太郎冠者」とは狂言に出てくる登場人物の一般名とのこと。「八っつぁん熊さん」のような、固有名詞でなく一般的な通り名だそうだ。
プロフィール

胡舟

Author:胡舟
北海道オホーツクに在住し北の海のクラフトを作っています。

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