ビーチグラスのライト

近作「ビーチグラスと貝殻のボールライト」。台座の貝殻は帆立貝。きれいな丸を出すことと、点灯時にビーチグラスの色がきれいに出ることにこだわってみた。
10年以上昔にも一度ビーチグラスのボールを作ったことがある。
埼玉時代は海が遠かったのでめったに海には行かなくなっていた。時折夫の郷里に里帰りしたとき、時間を見つけて海へ行くのが楽しみだった。貝殻やビーチグラスをいっぱい袋に拾って持って帰ると、義母が「あれまぁそんなに拾って」と笑っていた。
そうやって溜まったビーチグラスで球を作ろうと思いついた。ちょうど頃合の大きさの真ん丸い花瓶が家にあったので、その周囲を覆うように下からガラス同士をを貼り付けていき、中央(花瓶の赤道線)まで来たら次の一列は貼り付けないので乗っけるだけにして、セロテープで固定する。その上からまたガラス同士を貼っていく。こうすれば最終的に球は赤道から割ることが出来て、中の花瓶を取り出せるだろう。その通りに作業してちゃんと球にすることが出来たけど、当時はまだグルーガンのような便利な接着剤がなくて仕方なく普通のセメダインを使った。くっつけた後パリパリに乾くので微妙な調整とか出来なくて、かなり苦労した記憶がある。
ともかく出来上がった球を、庭のサツキの古株を切って色を塗って作ったオリジナルの台座に乗っけて、玄関に飾って悦に入っていた。ビーチグラスだけでなく一部貝殻も使ってたと思う。そうして2-3年飾っておいたら、だんだんセメダインの色が黄茶色に変色してきた。あるとき玄関を掃除中に誤ってボールを落としてしまった。でもたいした高さじゃないし畳の上だし大丈夫かな、と思っているうちにコロコロ…と転がって壁にトンとぶつかったら、そこでバラバラになってしまった。セメダインの接着力がもうなくなっていたのだ。「あーあ」と思いながら散らばったビーチグラスと貝殻をすべて拾い集めた。
前回の失敗?を教訓に今回はガラス専用の接着剤を使用した。また型の外側から作るのではなく、半球形の型の内側にガラスを貼って成形していく方法を考えた。こうすると表面がガラスの厚みでデコボコにならずにきれいに丸く見えるのだ。これで万全という方法はまだ見つからないので、これからも探求は続けていくつもり。あの時バラバラになったビーチグラスは丁寧に古いセメダインをはがして、今回のボールライトにも使っている。
北の海のクラフト 胡舟クラフト