貝殻のフレーム

海外のクラフト本に載っていた貝殻のフレームがあまりに素敵で、いつかぜひ真似て作ってみたいと思っていた。なので完全オリジナルではなく原案を借りている。使った材料は地元で拾った貝殻や戴いた貝殻など手持ちのものだけど。
貝殻フレームは魅力的な題材だけど、ありがちなモノにしたくなかったので控えていた。今回は気軽に「そろそろやってみようかな」というノリで始めたのだけど、作っているうちにどんどんはまってしまって、気づけばあの洋書の額を目指していた。出来栄えは自分なりに満足してる。ポスター制作のおかげで知らないうちにステップアップできていたらしい。作業中は疲れるけど、悩むのはレイアウトだけなのである意味楽ともいえるし、貝殻を触っているのは楽しい。これだけ作ってればいいんだろうなとチラッと思ったけど、そうはいかない性なのだった。
制作中に必ず考えることがある。「この作品をもし子供のときの私、10年前や5年前の私が見て『素敵』と思うだろうか」と。想像してみてOKならその作品はOKなのだ。もし過去の私がダメ出ししてきたら、作り直しか、完成できるスキルがつくまで放置する。
もうひとつ、「もしこの作品が売れなかったら?」と必ず考える。売れなくても納得できるか?納得できないうちはダメ。「ここまでやって売れなかったら仕方ないや」と思えたら完成にしている。自分に課しているただ2つの基準。
たったひとつ信じていることは「自分がいいと思ったモノは必ず他にもいいと思ってくれる人が居るはず」。つまり自分を信じること。そのためには私自身が自分に厳しくなくちゃいけないと思う。美術学校を出てるわけでも専門技術があるわけでもない私が、物を作るとき信じ基準になるものは「貝殻や手作りの物が大好きだった子供の私」「好きが嵩じて物作りを始めた情熱」だけなのだ。
海のクラフトを作っています。胡舟クラフト