シルク裂き編みとんぼ玉ブレスレット

「裂き編みとんぼ玉ブレスレット」 シルクのスカーフを切って丸四つ畳みを編み、自作とんぼ玉をつけた。真っ黒に見える玉は赤い細いスジが入っている。玉留めに使ったのはカレンシルバービーズ。
編み始めるまでにシルクの紐を作るのに大変苦労した。 最初はただ切って織ってみたら糸がたくさん出てしまった。次は中に麻糸の芯を入れて糊で巻いた紐を作って編んだら、やけにガッシリ編みあがり、糊のテカリで絹の質感が殺がれてしまった。結局スプレー糊をつけてアイロンで細く折り畳み、編み上げてから水洗いして完成させた。色が少し落ちて全体に赤味がまわったお陰で、落ち着いた色の紐になったと思う。
父は赤坂の某マスコミ会社で長年勤めていたせいか、私が家でドテラなどきてウロウロしていると「もっと垢抜けた格好をしなさい」というようなことをよく言っていたものだ。誕生日にくれるプレゼントも、子供のうちからブランドものの真っ赤な本皮バッグとか高級スカーフなどだった。赤坂にお勤めするおねえさん方御用達の店で買っていたのだろう。
このブレスに使ったスカーフはたしか中学生当時にもらったものだ。この手のブランド品に興味がない私は、数回身につけた以外はずっと仕舞いこんだままでいた。北海道へ来てからは冬は首のあたりが寒いので、防寒具としてよく巻いた。何度か洗濯したら穴があいて、広げてよく見ようとしたらビーッと裂けた。上等の品だったろうに田舎のオバサンの防寒具で終わっては気の毒と思い、アクセサリーとして日の目を見せてやることにしたわけ。絹の質感がしっとりしてどこか和風で、なかなか気に入っている。
オリジナルクラフトとアクセサリー制作 胡舟クラフト